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神事

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去る10月13日、今なお中越地震の爪痕を残す新潟県長岡市の山古志村で行われている伝統行事『牛の角突き』の撮影に行って来ました。
正確な記録が無いので定かではないようですが…その起源は600年前とも1000年前とも言われている『牛の角突き』は、2004年の中越地震により2006年までの2年間、開催が中断されていました。2006年の再開の際にはマスコミにも取り上げられボクもニュースで見た記憶があります。
そんな伝統のある神事『牛の角突き』ですが、若手の実行委員の中から『記録映像ではなくカッコイイPVを!!!』という企画が持ち上がり、その方の親戚の映像ディレクターがボクの知人でもあった事から、その流れでスチル撮影のご依頼をいただきました!


さて、その神事『牛の角突き』ですが…






ど迫力!!!(@@;)

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1トン超の雄牛の角の突き合いは、迫力・スピード感共に、そりゃもう「凄い!」の一言でした!
そりゃあそうです…なんたって撮影は闘牛場の中に入っての近距離撮影ですから…。(ToT) 聞くところによると『牛の角突き』の長い歴史の中でカメラマン(ビデオ・スチル共)が闘牛場の中に入って撮影するのは初めてとの事!(滝汗) 全15取り組みの序盤戦の取り組み限定とは言え、とても名誉な事ではありましたが、闘牛場に入る前にいただいたお清め程度の酒量では恐怖心なんて払拭出来る筈もなくビビリまくりの撮影でした。終盤戦の横綱級の取り組みは、あまりにも危険との運営側の判断から闘牛場の柵の外で撮影しましたが、正直…ほっとしました。(^^;)

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ちなみに…


神事『牛の角突き』には他の闘牛とは大きく異なる特徴があります。それは、勝敗を決しない事。基本的に明確な勝敗が付く前、もしくは膠着状況になった時点で引き離すことが原則。つまり取り組みは全て『引き分け』で終了させます。その理由は…

1.わが子同様、家族のように育てた牛が血を流すまでの死闘はかわいそうでできない。
2.徹底的に闘わせて勝ち負けをつけると、牛が闘争心を失くし再び闘わなくなる。
3.牛の犠牲を少なくし、長く保有する。
4.勝負づけをしないことによって賭博をせず、奉納の意味を強める。
5.勝敗をつけることにより、仲間同士で感情を害し、関係を悪くすることを避ける。

日本ではこの新潟県(山古志・小千谷闘牛場)以外にも6箇所で闘牛が行われていますが、この特徴をもつのはここだけです。

「勝敗を決しないと盛り上がりに欠けるのでは?」はじめボクはそう思っていましたが、とんでもない!!この山古志の「角突き」は『一粒で二度美味しい!』つまり…一つの取り組みにヤマ場が二度やって来るのです!O(≧∇≦)O
さきほど、引き分けで「終了させる」と書きましたが「?」と感じませんでしたか?「終了する」ではなく「終了させる」のです!
分かりやすく言えば…「引き分け以前」の角突きが『牛対牛』であるならば、「引き分け以降」の角突きは『人対牛』であるのです。つまり、人の手で対戦中の両牛を引き離し、戦いを終結させてしまうのです!(@@;)

山古志の「角突き」の闘牛場内には取り組みをする雄牛と「勢子(せこ)」と呼ばれる牛を操る闘牛士&取り組みを裁く行司の役割をする方が十数名居ます。この勢子が鼻綱を付けた牛を東西から闘牛場に引き入れ、中央で二頭の雄牛の頭を合わせます。この段階ではまだ牛の最大の急所である「鼻」に綱が入っているため牛達は静かな状態です。頭が合わさった段階で二頭の牛のそれぞれの鼻綱を勢子が引き抜いた瞬間に牛達はスイッチが入り取り組みが開始されますが、取組中、勢子は牛の様子を見ながら両牛の闘争心を高める為に独特な「ヨシター!」という掛け声を発し両牛に気合いを入れていきます。

両牛ともに死力を尽くして戦い丁度いい頃合いに、いよいよ勢子達の長である勢子長の合図のもと勢子達と牛、そう『人対牛』の戦いが始まります!

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この、勢子 vs 牛…『人対牛』の戦いが、また凄い!

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対戦中の両牛に後から近づき、その後足に同時に綱を掛け十数人掛かりで引き合い両牛の動きを止めます。次に数人の勢子が牛の頭部に近付き牛の角をホールド!牛の急所である鼻の穴に指を差し込み(@@;)、牛の顔を上げ鼻の穴に「鼻綱」を通します。これで牛の興奮が納まり取り組みは終了となります。
文字で書くと簡単そうですが、この間の「人体牛」の攻防戦はなかなかスリリングで手に汗握ってしまいました!

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余談ですが…勝敗を決しない角突きですが「横綱牛」と呼ばれる牛が存在します。
「引き分け」というシステムは牛の強弱を否定しているわけでありません。しかしながら取組によっては牛の強弱が衆目の目に明らかになることもあるのです。そして、角突きに関わる者の間では牛の強弱が概ね共有されており、長年にわたり取組の上位に位置する牛は「横綱牛」と形容されるのです。


今回の撮影では多くの事を学ばせていただきました。かな〜りの恐怖体験もしましたが。(爆)
勝敗に拘らず、いたずらに牛を傷つける事をしない山古志の角突きは、人と牛の共存の在り方を教えてくれる素晴らしい行事、もとい神事でした。それゆえ日本の闘牛で唯一、国の「重要無形民俗文化財」に指定されたのだと改めて実感した一日でした。

なお、本年度の山古志の「牛の角突き」は、あと一回…千秋楽が11月3日(日)に予定されています。
興味とお時間のある方は是非!体験してみてください!*こちらで日程の確認をしてからお出掛けください!


最後に…
今回、貴重な経験の場を与えてくれた山古志村闘牛会の皆様、映像ディレクターのW氏、そして関係者の皆様!この場をお借りして深く御礼申し上げます!
ありがとうございました!!!<(__)>


ちなみに…映像ディレクターのW氏渾身のPV(ボクの撮影させていただいた写真もちょこっと使ってもらいます!^^)は、現在鋭意編集中!との事、来月中には配信される予定です!(その折は、またご案内させていただきます!)




Nikon D800
developed : Adobe Photoshop Lightroom Ver.5.2・Camera RAW 8.2 - 64bit

Web Photo Gallery* Last Update : Sat, 21 Jul 2012
it's new ! * works photo. * Last Update : Wed, 24 Jul 2013


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by asdpc | 2013-10-19 19:45 | work